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自衛官になろうか迷っている方の中には、「自衛隊は人間関係がきついし訓練が厳しくて辞める奴が多い」と聞いたことがあると思います。
- 自分は自衛官に向いてるのか?
- 自衛隊のきつさについていけるか?
- 自衛隊を受けるか悩んでいる
僕も自衛官を目指そうと思った時や入隊を控えている時は本当に不安でした。
しかもその当時はネットで検索しても「自衛隊に向いている人」に関する記事なんてひとつもなかった。
だからある種の博打みたいなもので自衛隊を受けました。
僕はこれまで約6年にわたってこのサイトを運営してきました。
その中でも「自衛官」のジャンルは人気で今でも毎週数万人が読んでくれてます。本当に感謝しています。
このサイトを参考に自衛官になった人もいれば、違う道を選んだ人もいます。
それくらい「自衛隊に向いてる人、向いてない人」は自衛官をやっていく上で重要です。
たとえば僕のサイトで検索してみると関連キーワードが次のようになります。


正直、僕はこの検索結果を見て悲しい気持ちになりました。
多くの方はある程度、自衛隊はきついと覚悟して入っているのに
- 自衛隊が合わない
- 自衛隊から再就職したい
つまり辞めたい、と思っているわけです。
結論から言うと、自衛隊に向いている、向いていないは「性格」です。
人と関わるのが大好きな「外向的な人」は自衛官としてやってけます。
反対に人前で話すことが苦手な「内向的な人」は向いていないです。内向的な人が自衛官になるには、覚悟が必要です。
では、自衛隊に入るのをやめる人はどうすればいいのかというと、後述する方法で大手企業の正社員になることを選択肢に入れてみてください。
僕は多くの人が自衛官になること自体を反対しているわけではありません。せっかく自衛隊に入るのであれば辞めてほしくないと思っているだけです。
この記事では、自衛隊に向いている人、向いていない人について説明するだけでなく、「なぜ多くの方は自衛隊に入って辞めてしまうのか?」、「なぜ自分は自衛官に向いていないと知りながら入ってしまうのか?」この辺のリアルな事情を自身の経験を踏まえつつ解説します。
- 自分が自衛官に合ってるか知りたい
- 自衛官になって失敗したくない
- 人生を無駄にしたくない
この記事を読むことで、あなたが自衛官に向いているかはっきりします。

自分が自衛官に向いているかどうかを判断するには性格で決まります。
- 運動ができる
- 仕事ができる
- 目標がある
こういった項目はほとんど関係ありません。やる気や仕事ができなくても適性させあればやってけます。
自衛隊では、ある程度続けられる人を任用できるように採用試験で適性検査を実施しています。
自衛隊においては外向性、内向性が大事です。
- 外向性⇨社交的、話好きであり、活発な振る舞いをするのが好き
- 内向性⇨孤独な振る舞いをし、控えめな性格で一人でいるのを好む
つまり、自衛隊に自分の性格が合うか合わないかです。
- 話好き
- 一人よりも集団で群れるのが好き
- 飲み会やパーティーが好き
- いつも誰かと一緒に過ごしたい
- 読書やPCをいじるが好き
- 集団よりも独りで行動するほうが好き
- 土日はゆっくりと独りで過ごしたい
- 考え事が好き
外向的な人は、何かあるたびに積極的に人と関わっていく姿勢があります。
内向的な人は、何事も一人で抱え込む傾向にあります。
自分が何か活動をするときに周囲の人を巻き込んで行くタイプかが判断の分かれ目です。
自衛隊では集団生活になります。
- 入隊後の教育隊
- 居住する生活隊舎
- 部隊での仕事
勤務する日は朝起きてから仕事が終わるまでは集団で行動します。
入隊してしばらくはトイレの個室以外は集団で行動すると思ったほうがいいです。
「誰も知らない学校に進学して初対面のクラスメイトと今日から24時間プライベートなしで生活する」こう想像してみれば分かりやすいです。

集団生活は教育隊からはじまります。
教育隊では相部屋ですし、仕事をするときも、風呂に入るときも、寝るときも、飯を食うときも同期と一緒に過ごします。
なので集団生活に抵抗が無いことが大事になってきます。
プライベートが特になくても大丈夫だし、人とつるんでても問題ないって方は大丈夫です。
内向的な人はストレスがやばいです。慣れるまできついと思います。
ちなみに僕は入隊してから自分一人だけの時間が欲しかったです。土日に外出するのが楽しみで仕方ありませんでした。
ただ、そこまで心配する必要はありません。
その理由としては、完全に支配されるのは教育隊までだからです。
部隊に配属されてからは、金曜日の課業終了後は自由です。外泊が許可されると、金曜の夕方に外出して日曜日の夜に帰ることだってできます。
こんな感じで自衛隊は入隊直後から集団生活になるので外向性/内向性が本当に大事です。
自分が外向的な内向的かは学生時代や自身の性格を振り返ることでおおよそ分かると思います。
しかしどんな人にも内向的な部分もあれば外向的な部分があります。科学的な手法で調べたい方は以下に紹介する方法を利用してみてください。
自分が内向型か外向型かを調べる方法としてはミイダスを使うのがおすすめです。
ミイダスは転職サイトですが、無料で内向性・外向性や長所・短所を診断することができます。
使えるところだけ利用しましょう。

ミイダスの適性診断(コンピテンシー診断)を受けると、こんな感じで結果が出て来ます。
内向的か外向的かは、このチームワークの項目で判断できます。
ここで出た結果をベースに自衛隊でやっていけるかどうか判断してみてください。
やり方としては、下記のリンクからミイダスにアクセスします。
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ストレス耐性、統率力も測れますし、仕事をしていく上での自分の特徴も知ることができます。
正直、これはやっておいて損はないです。
自分の将来に関わる大切なことなので少しの時間くらいはかけられるはずです。

外向性や内向性が大事なのはよくわかったけど、結局自分は自衛隊を受けた方がいいのか?
この疑問について回答します。参考程度にしてみてください。
- 高校を卒業する新卒の人
- 大卒で幹部候補生を目指してる人
- 既卒・社会人
- 大卒で自衛官候補生/一般曹候補生
まず高校を卒業する新卒の方は18歳で若いです。自衛隊を辞めてしまったとしてもやり直しはいくらでもできます。若いうちに失敗しても学びの方が大きいです。
大卒で新卒の方はせめて幹部候補生(一般大学卒業、医療系)でないときついです。自衛官候補生や一般曹候補生だと教育隊では上官が年下の場合があります。部隊でも1〜3年先に入った上官はみんな年下です。自衛隊では階級がすべてなのでタメ口で扱われますし指導されます。
また、防衛大学を卒業した幹部もいます。自分と近い年なのにあの人は幹部で自分の階級は士。この辺を何とも思わない人でないときついです。
既卒や社会人の方は年齢によります。
19〜22歳くらいの方であればやり直しができるのでチャンレンジしてみてください。
24歳前後以降の方は数年後に辞めても30歳手前なので民間で正社員を目指せます。しかしスキルなしだと転職先は相当きついので覚悟がいります。
26歳以上の方はあらゆる観点から総合的に判断する必要があります。3曹になれなくて自衛隊を辞めたときのリスクが大きいです。
おそらくこの文章を読んで、そもそも自分は3曹になる気がない、と思っている方もいらっしゃると思います。
自衛官候補生でお金を稼いで就職支援までしてもらうから問題ないと。
結論から言うと、お金と正社員が目的であれば後述する方法を使った方が現実的です。
- 就職支援がある⇨昔と違って今はそんなにいい就職先がない
- 稼げる⇨後述する仕事の方が圧倒的に稼げます
自衛官候補生の就職支援は確かにすごいです。内定率もかなり高い。でも就業先はそんなによくないです。僕がいた頃でも介護、建設、営業ばかりで聞いたこともない会社が大多数でした。(※資格、スキルによります)

特に一般曹候補生を希望している方は将来自衛官として勤務したいと思っているはずです。
まず、将来的に自衛官として働きたいのであれば、3曹にならなければなりません。
3曹とは、自衛官として定年まで勤務するのに最低限昇任しなければならない階級のことです。

防衛省では、曹の役割については、従来から、小部隊のリーダー及び専門分野に精通した技能を有するものであるとともに、士を直接指導し、幹部を補佐する部隊の基幹要員として位置付けられています。
その資質・能力は部隊の精強性等に大きな影響を与えます。さらに、任務の多様化、装備の高度化に伴い、より高い専門性が要求されることから、曹としての任務遂行に必要とされる高い能力が求められています。
と定義されており、小部隊のリーダーとして士への指揮命令(リーダーシップ)、幹部の補佐(現場の任務遂行)といったスキルが求められます。
そのため、グループリーダーとして命令を下すことが苦手、やりたくないって方は間違いなく向いていないです。
実際に3曹の昇任試験には、学科、体力検定、分隊教練、射撃、面接、応急等があり、この中でも特に分隊教練ではリーダーシップが強く求められます。(※陸の場合)
海上や航空の場合は昇任試験が異なっていますが、本質は同じです。
曹として士への指揮命令を迅速に完遂することができているか?
ここが評価のポイントです。
こちらは第3陸曹教育隊の動画です。僕の上官は陸教がきつすぎて泣いたと言ってました。陸教を乗り越えて3曹になった自衛官は本当にすごい。
3曹になるのは狭き門です。

3曹への昇任試験を受けるのにもこれだけの期間がかかります。一発で3曹の試験に受かることはまずありません。
自分の先輩、同期、後輩がライバルとなります。後輩が先に3曹になることだって普通にあります。
遅い人は10年くらいでようやく3曹になれます。
18歳で入隊して28歳までに3曹に昇任できれば御の字です。
なので自分が一般曹候補生として入隊することを考えている場合には入隊試験に合格するかどうかだけなく、その後のキャリア、つまり3曹になる覚悟はできているか確かめてください。

これまでの流れからして「自分は自衛隊に向いていない」と思った方はいらっしゃると思います。
ちなみに僕は内心自分は自衛隊に向いていないと思いつつも入隊し、結果として3曹になれなくて辞めました。
自衛隊を受けようと思った理由は、
- 非正規雇用(フリーターやアルバイトの日々)
- 大卒なのにスキルなし
- まともな職歴なし
と社会的に詰んでいたからです。地元の求人は基本給13〜14万ばかり、大手の転職先サイトで紹介されるのは薄給激務の営業ばかり。
またその当時は一般曹候補生になれば100%、3曹になれると思っていました。
採用試験に合格=正社員じゃないと気づいたのは部隊配属後です。
もし仮に上記のことを事前に知っていたらな自衛隊を受けることはありませんでした。
完全なリサーチ不足です。
でも僕は自衛隊に入ったことは後悔していません。むしろ感謝しています。
自衛隊に入ったおかげで精神的にもタフになったし、後述する期間工という働き方を知るきっかけにもなりました。
もしあのまま自衛隊に入らなければ薄給激務のサラリーマンになっていたかもしれません。

自分の「外向性」や「内向性」を知った上で自分の志望理由を改めて確認してみてください。
「自衛隊でしかできないこと」が志望理由になっていないのであれば危険です。
- 公務員で安定しているから
- 地元にまともな就職先がないから
- 公務員の中でも自衛隊は受かりやすいから
- まともな職歴やスキルがないから
このような理由で自衛隊に入ろうか悩んでいる方は、今一度考えてみることをおすすめします。
自衛隊に入って失敗すると、今よりもきつい状況に追い込まれます。
正直、今後やりたいこともないし、人生オワコンになりつつある場合は、以下の経路がおすすめです。
- 准看護師になって看護師を狙う
- fランでもいいので理系の大学から新卒で就職
まず、准看護師は、学校にきちんと通って学べばなれます。看護師になるには国家試験に受かる必要がありますが、そこまで難しくありません(合格率約9割)。
看護師は年収で500万以上も狙えますし、全国どこでも転職し放題です。
奨学金を借りて学校に行っても将来きちんと元を取れます。医療業界は今後も人手不足かつAIでは難しいので失業することはありません。あと年齢は関係ないです。看護師になってから通信の大学に入れば、働きながら大卒の学位も狙えます。
大卒でない方は、大卒の学位を取るのもアリです。理系を狙いましょう。情報系・機械系、電子、工学系がおすすめです。技術職は食いっぱぐれないし、新卒での就職が狙えます。
fランでも理系であれば、新卒の就職先が良くなかったとしても転職で十分に逆転を狙えます。
看護師であれ、理系の大学であれ「専門性と手に職」だけは意識してください。
最近は、働きながらでも大卒の学位を目指せますし、オンラインで海外の大学に進学もできます。
ちなみに文系の大学だけは絶対にNGです。マジで専門性のある仕事に就けません(弁護士などの士業を除く)
特別やりたいこともないのであれば、門戸が広い看護師がおすすめです。

自衛隊に向いている人、向いていない人は「性格」が外向的か内向的かによります。
高校の新卒であれば1度しかない人生なので自衛隊にチャレンジしてみてください。
既卒や社会人から自衛隊になられる方は、志望動機や性格、3曹への覚悟などから総合的に判断するべきです。
最低でも外向的か内向的かはチェックしておいた方がミスマッチしにくいと思います。
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僕は自衛隊時代を通して多くの友人ができました。辛いことやきついこともありましたが、何だかんだいい思い出です。
仕事のキャリアでいうと失敗しました。元々たいしたスキル・職歴のない人間だったので、自衛隊を辞めた後は入る前よりもやばかったです。正社員はどこも通らなかったし、介護・飲食しかありませんでした。
もし今の自分が自衛隊に入る前に戻ったのだとしたら、僕は上記で紹介した、看護師かFラン理系ルートを狙います。
僕はあなたがどのような選択をするのであれ、応援しています。

