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自衛官の再就職の状況について語ります。
任期満了(自衛官候補生)や定年で退官される方は参考にしてみてください。
よく自衛官の再就職先は厳しいとか、民間では使えないといったような話を聞きますが、
結論を述べるとその人次第です。その理由について分かりやすく説明します。
意外と手厚い自衛隊の再就職支援
そもそも自衛隊の再就職支援とは、
- 20代~30代半ば(任期制自衛官)
- 50代半ば(若年定年制自衛官)
の自衛官が退官後も安心して生活できるように整えられた制度です。
最近では、人手不足の影響もあって自衛官の定年年齢の引き上げが行われています。
しかしながら、自衛官の定年は下図のように民間と比べてもかなり早いです。
なぜ、定年を早く迎えることが問題なのかというと、現代では65〜70歳まで働くことがもはや普通であり、いくら階級が高くても55歳前後で退官してしまっては100歳まで生きると仮定した場合、どれだけお金があっても足りないからです。(資産家は別です)
たとえば退職金として1000万〜2000万円を55歳でもらったとしても仮に日本の平均寿命(男性81歳、女性87歳)まで生きた場合、80歳まで残り25年もあるのでお金は全く足りません。
100歳まで生きるとすればさらに+20年です。
自衛官には60歳まで若年給付金があるとはいえ、家のリフォームや自身、家族の病気、急な出費等が重なれば厳しい生活を強いられます。
こうした自衛官の将来への不安の解消、優秀な人材確保のためにも防衛省は、再就職に有効な職業訓練などの支援施策を行っています。
では、具体的に何をやっているのかというと、
防衛省は、一般財団法人自衛隊援護協会が、厚生労働大臣と国土交通大臣の許可を得て、退職自衛官のための無料職業紹介事業を行っているそうです。
要するに自衛官専用のハローワークのようなところで求人の紹介を行なっているわけです。
簡単な仕組みとしては、自衛官を採用したい企業がこちらの協会に求人を出して、その求人に協会を通して自衛官が応募する形になります。
なので普通に企業説明会(俗に言う合同説明会)もあったりします。
気になる自衛官の再就職先は?
では、再就職を希望する自衛官はどこに就職しているのかというと、
退職自衛官は、職務遂行と教育訓練によって培われた、優れた企画力・指導力・実行力・協調性・責任感などのほか、職務や職業訓練などにより取得した各種の資格・免許も保有している。
このため、地方公共団体の防災や危機管理の分野をはじめ、金融・保険・不動産業や建設業のほか、製造業、サービス業など幅広い分野で活躍している。
最新の退職自衛官の再就職状況
令和に退職された自衛官の情報は防衛省が公表する「就職先実績」で確認できます。
実際に防衛白書から再就職支援実績の統計が確認できます。
令和5年版の防衛白書によると、再職率は、
- 任期制自衛官の場合は、99.0%
- 若年定年自衛官の場合は、98.6%
とかなりの就職決定率になっています。
再就職先の特徴としては、約41%がサービス業、公共事業が約17%、製造業が約14%となっています。
約60%の方はサービス業か公共事業関連の業界へ再就職するようです。
また、約3%の枠しかありませんが、地方公共団体の防災や危機管理の分野として、47都道府県の県庁や市庁で働くこともできるそうです。(おそらく定年退官される方がメインだと思いますが)
資料69 退職自衛官の地方公共団体防災関係部局における在職状況
具体的な就職支援は?
では、任期制や定年で再就職を希望する自衛官にどのような支援をしているのかというと、
退官前の段階的な資格取得などの支援を行うとともに、退職自衛官の知識・技能・経験を活用するとの観点から、地方公共団体や関係機関との連携を強化しつつ、退職自衛官のさらなる活用を進めるなど、一層の充実を図ることとしている。
となっています。
まずは資格取得です。
所属している職種によるところもありますが、自衛隊では以下の資格を再就職支援対策として取ることができます。
公共事業を希望するのであれば、電気関係、製造業であれば、危険物等、が望ましいです。
地方公共団体の防災であれば、防災・危機管理教育、消防設備士、衛生管理者、管理業務主任者等が好まれると思います。
基本的には再就職を希望すると決めたら、自分の所属する職種で取れる資格(就職に使えるやつ限定)は取っておいたほうがいいです。履歴書や面接でもアピールできます。
また、これはあくまで防衛省内における自衛官に限定された就職支援でしかないので、一般の転職サイトを併用することを強く勧めます。
- 求人数が圧倒的に多い
- 仕事内容や給与を比較できる。
- 自分の市場価値が分かる。
このようなメリットがあるからです。
まず民間の就職サイトだと求人数が桁違いです。
質の高い求人を短期間で紹介してくれるので転職が初めてという方でも大丈夫です。
転職そのものはリスクがありますが、転職活動自体はノーリスクです。
自衛隊の就職支援はけっこうすごいです。
普通の民間であれば、転職支援なんてまずしてくれません。
結局のところは自衛官時代に何を専門にどれだけのスキルを身につけてきたかによるので再就職先が良いか悪いかは本当にその人次第になります。
あくまで再就職先の傾向を掴むのに役立てばと思います。
再就職の状況については、防衛省の刊行する防衛白書の資料 退職自衛官の地方公共団体防災関係部局における在職状況に毎年記載されています。
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就職援護は書かれている程結果を出していないようです。退職者はかなり苦労をしているようです。
組織を守るための存在になっています。
55歳くらいで希望に沿わない低所得の業者に就職させられるのが関の山で、それができない人は希望しなかったことにされて就職率99%を維持しているようです。
いずれにしても、55歳くらいで世間にほっぽり出されるところに就職しますか?