自衛官になるには身体検査に合格する必要があります。
自衛隊の身体検査は一般的な健康診断と違って明確に合格の基準が定められています。
ですが2019年4月1日より、身体検査の合格基準が一部変更されました。
このことにより、多くの方が自衛官を目指せるようになりました。
また、最近では自衛隊の隊員数が不足していることもあって自衛官になりやすくなっています。
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目次
身体検査の合格基準
今回変更される採用種目としては、
- 自衛隊幹部候補生
- 海上自衛隊技術海上幹部
- 航空自衛隊技術航空幹部
- 海上自衛隊技術海曹及び航空自衛隊技術空曹
- 自衛隊一般曹候補生
- 自衛官候補生
- 防衛大学校学生
- 防衛医科大学校学生
- 陸上自衛隊高等工科学校生徒
- 予備自衛官
となっています。
このことにより、これまで身長や視力で自衛官を諦めていた人たちも目指せるようになりました。
いつ身体検査を受けるのか
自衛隊の試験を受ける際に身体検査を受ける時期についてなのですが、
自衛官候補生の場合は受験したすべての者に対し、それ以外の採用区分については1次試験突破後に最寄の駐屯地で受けることになります。
自衛隊の身体検査で診られる項目
自衛隊の試験である身体検査でどんな項目が検査されるのかというと、
- 身長
- 胸囲・体重
- 肺活量
- 視力
- 色覚
- 聴力
- 歯
- 血液検査
- 尿検査
- 胸部X線検査
といった項目になります。
けっこうな項目数になるのではないのでしょうか。
ですが、この検査項目の中でも、
- 胸囲、肺活量については基準が廃止されました。
なので胸囲や肺活量についてはよほど異常がない限りは合格できると見て間違いないです。
自衛隊の身体検査の合格基準
それでは順番に身体検査の合格基準を伝えていきます。
身長については、
- 男子:155cm以上⇒150cm以上
- 女子:150cm以上⇒140cm以上
に変更されました。このことによりより多くの方が自衛官になれるようになります。
胸囲については合格基準が廃止されました。
体重については、
といったような基準となっていましたが、
といったように、身長基準の変更に伴い、身長に応じた体重に関する合格基準が新たに追加されました。
視力については、
- 両側とも裸眼視力が0.6以上
- 裸眼視力が0.1以上で矯正視力が0.8以上又は裸眼視力が0.1未満であって矯正視力がプラスマイナス8.0ジオプトリーを超えない範囲の屈折度のレンズによって0.8以上であるもの
となっていましたが、
- 「両側の裸眼視力が 0.6 以上又は矯正視力が 0.8 以上であるもの」
に変更されました。
色覚は、
- 色盲又は強度の色弱でないもの
聴力は、
- 正常なもの
歯については、
- 多数のう歯又は欠損歯(治療を完了したものを除く)のないもの
その他の合格基準については、「刺青がないもの」としていますが、次のとおり、例外規定を設けます。
- 「専ら美容を目的として眉又はまぶたに施されたものについては、この限りでは
ありません。」
と基準が緩和されました。
まとめ
一覧表にしてみると、
といった感じになります。
また、不合格疾患についても更新されたのでこちらで確認できます。
自衛隊の身体検査で落ちる理由&よくある質問
自衛隊の身体検査では、これらの項目のうち、何か1つでもひっかかると普通に落ちます。
ただ、虫歯に関しては、入隊までに治療をしておけば大丈夫です。
色覚検査については緊張して落ちてしまっても再チャレンジできます。
血圧も同様です。
また、尿検査については試験前日に緑茶を飲みすぎたりしてもNGです。
ジュース類やビタミンC剤などもやめておきましょう。
身体検査当日の服装は?
制服もしくはスーツです。ジャージはNGです。
身体検査の合格率は?
身体検査に関しては基準を満たしていれば合格できます。
まとめ
これまでの情報を簡単にまとめます。
自衛隊のほとんどすべての採用種目で身体検査の見直しが行われました。
これまでは、
といったような基準となっていましたが、
平成31年4月1日より、
- 身長の合格基準
- 胸囲、肺活量について、基準を廃止
- 視力の合格基準
- 眉又はまぶたに施された美容整形は例外
と一部変更されました。
自衛隊の身体検査の合格基準が変更されたことについては、
防衛省の身体検査の合格基準の一部変更に関するお知らせから確認できますので興味のある方は確認しておくことをオススメします。
また、身体検査の合格基準は防衛省のサイトからも確認できます。
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先日、幹部候補生2次試験を受けてきました。
身体検査における懸念が、幾つかあります。
・尿検査 若干の泡立ち
・怪我で治療中の欠損歯、また虫歯
・血圧80-132
医官の方は特に問題無いと言ってはくれましたが、正直どうなるか不安です。
何かご教授できることがあれば、教えて頂けると幸いです。
コメントありがとうございます。
幹部候補生2次試験 お疲れ様です。
医官の方が問題ない、とおっしゃってくれたのであれば過度に心配する必要はありません。
身体検査はあくまで基準を満たしているかだけチェックされます。
単に身長や体重、視力の結果が良い人から採用されるわけではありません。
私もその当時、身体検査で緊張してその場で再検査を何項目かしたことがありましたが、問題ありませんでした。
入隊時の身体検査で血圧ははかるのでしょうか?
また、血圧が基準を越えていた場合は不合格になるのでしょうか?
血圧は検査されます。
しかし高血圧症、低血圧症でなければパスできるのでそこまで神経質になる必要はありません。(https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/about/physical-examination/index.html)
厚生労働省によると、正常な血圧の範囲としては80-120の値になるそうです。
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html)
リスカをしたことがあるといった場合って落とされてしまいますか
間違いなく落とされるのでやめておきましょう!
学校や会社で行った健康診断の証明書を提出する必要はありますか?
身体検査があるので提出しなくて大丈夫です!
持病等がある場合には証明書が必要になる場合もありますが。
17歳で網膜剥離の手術をした場合、航空自衛官は入隊できますか?パイロット志望では有りません。
きのこのこさん、コメントありがとうございます。
網膜剥離の既往歴があるということで調べてみました。
過去記事のこちらにも書いてありますが、自衛隊の視力の合格基準を簡単に説明すると、まず
(1)両眼の裸眼視力が0.6以上
(2)裸眼視力が0.1以上で矯正視力が0.8以上
(3)裸眼視力が0.1未満の場合は矯正視力がプラスマイナス8.0ジオプトリーを超えない範囲の屈折度のレンズによって0.8以上であるもの
となっています。
また、より詳しい視力の基準については、自衛官等の採用のための身体検査に関する訓令を参照すると、
1 高度の兎眼及び高度の眼瞼の下垂、外反、内反、けいれん 及び欠損
2 高度の流涙症及び涙液分泌減少症
3 高度の瞼球癒着が残っている角結膜疾患
4 進行性又は再発性の角膜、強膜、虹彩、水晶体、硝子体、脈絡膜、網膜及び視神経疾患や緑内障があるもの
5 夜盲症の訴えがあるもの
6 後天性の眼球震とう症及び複視の訴えがあるもの
4番に該当するかにかかってくると思います。
しかし、航空自衛隊の操縦士に実施される航空身体検査に関する訓令には、
1 網膜剥離又はその既往歴
2 網膜色素変性症又は無色素性網膜変性症
3 網膜炎又は網膜脈絡膜炎(症状が固定し、再発のおそれ視路の疾患 がなく、視機能を妨げないものを除く。)
の場合には合格できないと記載されているので、今回の場合はパイロット志望ではないので、既往歴があるだけでは大丈夫だと思います。
結論を述べると、網膜剥離が進行性、再発性であるかどうかにかかってくると思います。
ですが、確実ではないので合格できるかどうかについては地方協力本部の広報官に聞いてみてください。
少しでもお力になればと思います。
こんにちは。少しお尋ねしたいことがあります。
今年予備自衛官補と幹部候補生を受験したのですが、どちらも血液検査(採取)がありませんでした。予備自衛官補は合格をいただき幹部は結果待ちの状態です。
血液検査は入隊時に行うようになったのでしょうか。
身体検査で落とされるのではないかと不安に思っています。
何か知っていることがあれば教えていただきたいです。
よろしくお願い致します。
ひろ様、まずは予備自衛官の合格おめでとうございます!
血液検査は入隊後に行われた記憶があります。
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/pdf/y/28kankouippany.pdf
自衛官等の採用のための身体検査に関する訓令なんかを見てみても、
第2条 自衛官、自衛官候補生、予備自衛官補、学生及び生徒の採用のための身体検
査(以下「身体検査」という。)は、採用予定者を決定するとき及び採用予定者を
入隊させ、又は入学させるときに行うものとする。となっています。
同様に別表第1(男性自衛官合格基準)においても、血液検査は記載されていないので、
入隊後に検査する認識でいいと思います。
検査しなかったという理由で落とされることはないのでそこは大丈夫です。