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平成元年から令和5(2023)年までの一般曹候補生の倍率と合格ラインについて解説します。
応募者数と採用者数も載せているので参考にしてみてください。
目次
一般曹候補生の倍率と推移
1988年〜2006年までの倍率と推移
2006年までの一般曹候補生の志願者数の推移と倍率については、
だいたい倍率は25~30倍を推移しています。
恐ろしいほどの倍率となっていますが、ここ最近では話が変わってきています。
2007年~2015年までの倍率
2007年以降は一時的に応募者数が激増しましたが、2011年以降は、
- 応募者数(志願者数)が激減しています。
2014年〜2018年の倍率と推移
防衛省の自衛官等の採用状況を確認してみると、平成26年度から平成30年度の応募者数と採用者数は次のようになっています。
これを倍率、合格率(確率)に換算すると、
- 2014年:7.0倍 合格率:14%
- 2015年:5.7倍 合格率:17%
- 2016年:4.8倍 合格率:20%
- 2017年:5.7倍 合格率:17%
- 2018年:4.2倍 合格率:23%
となっています。
さらにこの直近5年を平均で算出すると、
平均倍率:5.48倍 中央値:5.7倍
となっています。
データが少ないのでばらつきは出てくると思いますが、一般曹候補生の見かけの倍率は5倍前後と言えそうです。
しかし、これはあくまで応募者数であり、
- 実際に受験したかどうか
といった辞退率が分かりません。
また、一般曹候補生には身体検査も含まれているので単純に学力だけで合格できるわけではありません。
このような点を考慮すると、もう少し倍率は下がります。4.5~5.0倍あればいいほうなのではないのでしょうか。
2018年の倍率
平成30年(2018年)の一般曹候補生全体としては、
- 平成30年度:4.2倍 合格率:23%
(陸上自衛隊、航空自衛隊、海上自衛隊)の倍率を載せておきます。
令和元年版防衛白書,資料56を参照にしています。
平成30年度(2018年)
一般曹候補生(男子)の倍率
- 陸上自衛隊 倍率:3.9倍
- 海上自衛隊 倍率:3.0倍
- 航空自衛隊 倍率:7.7倍
一般曹候補生(女子)の倍率
- 陸上自衛隊 倍率:9.2倍
- 海上自衛隊 倍率:3.3倍
- 航空自衛隊 倍率:5.8倍
となっています。
令和元年(2019年)の倍率
資料53 自衛官などの応募及び採用状況(令和元年度)によると、
令和元年の一般曹候補生(陸・空・海含む)の倍率は4.39倍です。
陸、空、海の倍率
令和元年度(2019年)
一般曹候補生(男子)の倍率
- 陸上自衛隊 倍率:3.9倍
- 海上自衛隊 倍率:3.1倍
- 航空自衛隊 倍率:7.7倍
一般曹候補生(女子)の倍率
- 陸上自衛隊 倍率:9.2倍
- 海上自衛隊 倍率:4.3倍
- 航空自衛隊 倍率:5.7倍
令和元年の防衛白書によると、
一般曹候補生(男子)の場合、難易度は空>陸>海です。
一般曹候補生(女子)の場合は、陸>空>海となっています。
男女によってそれぞれの倍率は異なっているので、どこを受けたかによって一般曹候補生の合格率は変わっていきます。
令和2年(2020)の倍率
資料51 自衛官などの応募及び採用状況(令和2(2020)年度)によると、
一般曹候補生全体の倍率は
男子:4.4倍
女子:6.1倍
陸・海・空では、
男子
陸:4.3倍
海:3.2倍
空:6.7倍
女子
陸:9.3倍
海:4.0倍
空:4.3倍
となっています。
令和3年(2021)の倍率
資料51 自衛官などの応募及び採用状況(令和2(2020)年度)によると、
前の年と同じく、男子の場合は海⇨陸⇨空の順で受かりやすく、女子の場合は海⇨空⇨陸となっています。
【全体の倍率】
男子:4.4倍
女子:5.7倍
男子
陸:4.2倍
海:3.3倍
空:7.2倍
女子
陸:6.5倍
海:4.7倍
空:5.2倍
倍率全体で見ると、前の年とほぼ横ばいです。
令和4年(2022)の倍率
資料66 自衛官などの応募及び採用状況 (令和5年版 防衛白書)によると、
受かりやすさは、前の年と同じく、男子の場合は海⇨陸⇨空の順で受かりやすく、女子の場合は海⇨空⇨陸となっています。
【全体の倍率】
男子:4.1倍
女子:4.5倍
男子
陸:4.1倍
海:3.4倍
空:4.7倍
女子
陸:5.4倍
海:3.3倍
空:4.2倍
倍率全体で見ると、男性は0.1ポイントの低下、女性は1.2ポイントの低下となっています。
令和の一般曹候補生の倍率の特徴としては、少子化による倍率の低下が続いています。
2014年〜2018年は5倍もあったのですが、令和では4倍程度です。
身体検査による合格率も含めると、3倍ちょっとだと思います。
令和5年(2023)の倍率
資料68 自衛官などの応募及び採用状況 (令和6年版 防衛白書)によると、
男子の場合は空⇨海⇨陸の順で受かりやすく、女子の場合は空⇨海⇨陸となっています。
航空自衛隊の倍率が男子で一番低いのは、かなり珍しいです。
【全体の倍率】
男子:4.0倍
女子:4.6倍
男子
陸:4.3倍
海:3.9倍
空:3.5倍
女子
陸:5.6倍
海:4.1倍
空:3.9倍
本年度の防衛白書より、充足率が一番右に追加されるようになりました。
一般曹候補生であれば、採用予定者数に対して60%しか確保できなかったことを意味します。
引き続き受験者にとって有利な環境が続いています。
令和6年(2024)の倍率
令和7年版の防衛白書が刊行され次第、更新を行います。
最新の防衛白書の状況についてはこちらから確認できます。
【令和版】自衛隊 一般曹候補生に最短で合格する方法 自衛隊の教育隊で準備しておきたい必要な持ち物 【令和版】自衛官候補生の倍率
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こんにちは。
初めまして。
自衛官に関する記事を大変興味深く読ませていただいております。
27歳女です。
来年の一般曹候補生(海上か航空)の受験を考えています。
できれば季節入隊希望なのですが、
女性の場合季節入隊の枠は少ないのでしょうか。
また、27で入隊って遅すぎますかね。
年齢制限が上がったのは存じているのですが、実際現場だと需要あるのかなと思ってしまいます。
やはり体力に自信のある若い子のほうが重宝されますでしょうし、昇進も早いのではと思ってしまいます。
年齢気にしすぎでしょうか?
こんにちは、はじめまして!
ゆりさん、コメントありがとうございます!
多忙のため返信が遅くなり申し訳ございません。
>私の場合、一般曹候補生で季節入隊は聞いたことがありません。(ひょっとしたらあるかもしれませんが。。)
一般曹候補生として入隊したいのであれば、普通に年2回の募集を狙った方が採用枠も大きいため合格しやすいと思います。
倍率であれば海上が一番受かりやすいです。
年齢で言えば、自衛隊では男女含めて22歳以上であればけっこう珍しいです。
その中でも体感的に25以降はあまりいないと思います。
30人のうち22歳以上が5、6人くらいでそのうち25歳以降が1、2人といったところでしょうか。
(現在はもう少し増えていると思います。)
>年齢による需要というのは考えなくていいと思います。試験に受かって合格さえしてしまえば、あとは本人次第です。
一般曹候補生として入隊するとすれば、部隊配属後に曹への試験を受けることになると思います。
この試験にいかに早く合格するのかが重要です。体力検定はもちろんのこと筆記や応急、分隊教練、射撃なんかがあります。
試験は各駐屯地で実施されるので他の部隊や職種なんかがライバルになります。
なので試験は入り口であり、曹になることが先決となるでしょう。
また、20代後半にさしかかるということもあり、自身のキャリアにも迷いがあると思います。
当然、全員が曹になれるわけではありません。もちろん無理だと思った場合には自衛官候補生に鞍替えすることで就職支援を受けることもできます。
>27歳で入隊は遅くないと思います。自身のキャリアとリスク許容度を整理して決断した方がいいと思います。
チャレンジするだけしてみてダメならすぐに辞めるスタンスも全然アリです。
実際に入ってみないと分からないことはたくさんあります。
曹への試験は年齢ではなく点数で決まるので年齢は気にする必要はありません。
少しでもゆりさんの参考になればと思います。