航空自衛隊で取得できる資格・免許と職種について

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航空自衛隊で取れる資格・免許を紹介していきます!

これから航空自衛隊に入ろうかどうか迷っている方は参考にしてみてください。

MEMO

こちらの記事は書籍「自衛隊で取れる免許・資格―自衛隊徹底活用法」を参考にしております。実際に取れる資格と相違がある可能性がありますので、最新の情報については広報官に確認していただきますようお願いいたします。

航空自衛隊で取れる資格一覧

航空自衛隊をイメージしてみると、たいていの方が戦闘機を飛ばしたり、飛行機の整備をしている場面を思い浮かべたりしますが、そもそも航空自衛隊とは、

侵攻してくる敵機に対して戦闘機やミサイル防衛などによる防衛をし、国民と国土の安全を守る防空、大規模災害などによるさまざまな事態への対応、PKOなど国際平和協定に関わる業務などを任務としてるところです。

そしてこの航空自衛隊は、

北部航空方面隊、中部航空方面隊、西部航空方面隊、南西航空方面隊、航空支援集団、航空開発実験集団などに分かれています。

細かくわけると、職種のほうは約30種類ほどあるそうです。

そして、航空自衛隊は飛行機を飛ばすことを目的としているため、それを支える職種がほとんどとなっています。

職種については、入隊後の希望や適正からパイロット養成のための「飛行教育」、ペトリオットミサイルを扱う「高射運用」といったように、さまざまなものがあります。

そしてそれぞれの職種のうち、無線レーダー整備では、機上電子整備、気象器材整備、航空管制、器材整備、警戒管制レーダー整備などがあります。

ひとつの職種に配属されてからもっと細かく分かれて専門性を深めていくというような感じです。

航空自衛隊の新人教育は?

基本的に入隊資格としては、18~32歳までの男女であり、入隊と同時に2等空士に任命されて航空教育対で教育を受けた後に各部隊に配属されます。

  • 自衛官候補生の場合は、2ヶ月は基礎教育を受け、後期教育では術科学校に入校します。
  • 一般曹候補生の場合は、4ヶ月の基礎教育課程を受け、その後術科学校へ入校します。
  • 幹部候補生の場合は、1年近く幹部候補生学校で学んだ後、術科学校へ入校します。

この術科学校とは、いわゆる職種の専門性を高める学校みたいなものです。

具体的には、

  • 第1術科学校―航空機整備専門
  • 第2術科学校―レーダー及びコンピュータシステム専門
  • 第3術科学校―後方支援専門(補給・調達・輸送・医療)
  • 第4術科学校―通信と気象観測専門
  • 第5術科学校―管制業務専門

の5種類です。

それでは、航空自衛隊のそれぞれの職種でどんな資格・免許が取得できるのか見てみましょう。

航空自衛隊で取れる資格・免許

飛行:パイロット免許

整備:2級・3級自動車整備士、甲種・乙種危険物取扱者、危険物取扱主任、高圧ガス取扱主任、移動車両クレーン運転免許、ガス・電気取扱主任、電気工事士、第3種電気事業主任技術者、大型特殊運転免許

武装:火薬類取扱保安責任者、乙種機械責任者、大型運転免許、特殊無線技士、第3種冷凍機械責任者、危険物取扱責任者

高射運用:大型運転免許、牽引運転免許、クレーン免許、危険物取扱主任、特殊無線技士

航空・要撃管制:航空交通管制職員基礎試験、航空無線通信士、航空交通管制技能証明書、情報処理技術者、大型運転免許

通信電子:無線通信士技士、国内通信級陸上特殊無線技士、アナログ1~3種、デジタル1種/2種、第1級/第2級陸上無線技術士、第1級陸上特殊無線技士、第1種・第2種情報処理技術者、第1級~第4級アマチュア無線技士、大型運転免許、牽引運転免許

プログラム:第1種/第2種情報処理技術者、データベース検索技術者、マイクロコンピュータ利用者設定、日商ワープロ技能検定

気象:第1級・第2級陸上無線技術士、特殊無線技士、第3種電気主任技術者、大型運転免許

衛生:看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、歯科技工士、救急救命士

警備:大型運転免許

補給:大型/大型特殊運転免許、牽引運転免許、乙種機械主任者免許(高圧ガス)

施設:1種・2種電機工事士、第3種電気主任技術者、危険物取扱主任者、1級・2級・特級ボイラー技士、ボイラー整備士、危険物取扱者乙4類、ガス・アーク溶接技能士、消防整備士、防火管理者、消防設備点検資格者、大型特殊運転免許、測量士、建築士、第3種冷凍機械主任技術者、配管技術管理者、大型運転免許、牽引運転免許、大型第1種自動車運転免許、クレーン運転免許

などです。

最後に、航空自衛隊に入隊したら、こんなのをやってみたいんだけど、どの職種がオススメなの?って質問に答えていきたいと思います。

ジェット戦闘機を操縦したい

基本的にパイロットになるための第一条件は視力になります。

なので視力、身体検査をクリアしなければなりません。

そして、高卒で航空学生を選択、幹部候補生の場合は教育修了後に飛行教育に進みます。

高卒での航空学生の場合、受験は1次~3次試験まであります。

また、操縦適性検査があり、これに合格すれば航空学生になれます。

航空学生は2年ほどあり、自衛官としての基礎や一般教養のほか物理、応用解析なども学びます。

幹部候補生過程(陸)の場合は、教育修了後に適性検査があります。これに合格すれば、飛行幹部候補として認められ、部隊で2ヶ月勤務をすることになります。そしてその後、操縦課程へ進みます。

海自・空自の場合は採用段階で一般とパイロットに分かれています。

一般要員は1次試験で学科及び適性(一般用)、2次試験で身体検査及び面接を受けます。
飛行要員(パイロット)の場合は3次試験まであり、
1次試験で一般用の適性検査に加えてパイロット用の適性検査が別途実施されます。
2次試験で航空身体検査と一般要員と同じ面接(パイロットとしてではなく自衛官としての素質を見られる)を実施。
3次試験で脳波検査と操縦適性検査、面接(パイロットとしての面接※心理面接含む)に合格すると幹部候補生飛行要員として幹部候補生学校に入校。
卒業後は飛行準備過程を経て初等操縦課程に行きます。

飛行機の操縦についてですが、初級操縦課程に入ってはじめて飛行機を操縦することになるそうです。

ブルーインパルスのパイロットになりたい

航空自衛隊のイベント、航空際なんかでよく見かけるブルーインパルスです。

ブルーインパルスは、宮城県・松島基地をホームベースにしていて、4月から12月までの間、全国各地で行われる航空際に出向いています。

このブルーインパルスのパイロットは、戦闘機を使う実戦部隊から派遣されています。

選別方法は不明みたいなのですが、単純な技量だけではなく、人間性も考慮されるみたいです。

任期は3年となっており、任期終了後は各々の部隊へ戻るようになっています。

輸送機を飛ばしたい

基本的に輸送機系は毎日が実務です。

基地と基地を結ぶ定期輸送、PKO活動による海外派遣、災害時の災害派遣など、人の役に立つ仕事です。

こちらもジェット戦闘機を操縦したい、で触れたように、初級操縦課程を合格することが前提になっています。

そして、基本操縦課程へ進む段階で、輸送機コース、回転翼(ヘリコプター)などへの進路を選択すればいいそうです。

ちなみにここを修了すると、ウイングマークを手に入れることができます。

そしてその後、輸送機操縦課程へ進むそうです。

基本操縦課程(前期)では、ジェット練習機・T-4へ乗ります。その後、T-400という並列複数座の練習機で基本操縦課程を約8.5ヶ月、さらに輸送操縦課程を約6ヶ月(C-1、C-130、YS-11など)受け、部隊配属になります。

部隊配属後はパイロットから始まり、機長への道を歩みます。

基本的に飛行機を操縦するのであれば、航空学生を目指すのが近道みたいです。

その他にも、

  • 政府専用機を操縦するには? ⇒空中輸送員
  • 戦闘機の整備をするには? ⇒列線整備員
  • 地対空ミサイルを撃つには? ⇒高射操縦員
  • 管制官になるには? ⇒飛行場管制
  • 助けを求める人を救助するには? ⇒航空救難員(遭難者を助けること)

といったように、航空自衛隊には本当に多くの職種があります。

僕自身もこの記事を書いているあいだに、何度も驚きました。

注意

配属先やキャリアによって取れる資格が異なります。参考程度にしていただければ幸いです。

航空自衛隊を受けようか迷っている方はぜひ参考にしてみてください!

また陸上自衛隊、海上自衛隊に興味のある方は次の記事も読んでみてください。

陸上自衛隊で取得できる資格・免許と職種について 海上自衛隊で取得できる資格・免許と職種について 自衛官になるには? 試験内容や倍率、採用後の流れまで徹底解説

her

航空自衛隊は採用から職種、資格までけっこう複雑

2 COMMENTS

元空自P

元空自パイロットです。一般幹部候補生(飛行)からパイロットになりました。

>幹部候補生過程の場合は、教育修了後に適性検査があります。
>これに合格すれば、飛行幹部候補として認められ、
>部隊で2ヶ月勤務をすることになります。そしてその後、操縦課程へ進みます。

これは間違いですね。陸と海さんはこのフローっぽいですが、¥。

空自のパイロットは幹部候補生でも、採用段階から完全に別枠採用です。
幹部候補生として入隊しても(一般)と(飛行)で区別されます。
=幹部候補生学校入隊時に既に適性検査は受験済。

一般要員は1次試験で学科及び適性(一般用)2次試験で身体検査及び面接しかありません。
飛行要員は3次試験まであり、
1次試験で一般用の適性検査に加えてパイロット用の適性検査が別途実施されます。
2次試験で航空身体検査と一般要員と同じ面接(パイロットとしてではなく自衛官としての素質を見られる)を実施。
3次試験で脳波検査と操縦適性検査、面接(パイロットとしての面接兼心理面接)

で合格すると幹部候補生飛行要員として幹部候補生学校に入校。
卒業後は飛行準備過程を経て初等操縦課程に行きます。

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her

>元空自Pさん、有力な情報ありがとうございます。
並びに記載内容が間違っていたということで申し訳ございません。
さっそく一般幹部候補生の飛行要員に関する内容を修正させていただきました。
飛行要員は情報が少ないこともあって試験に関する重要な情報はとてもありがたいです。

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