今回は自衛官として働いているけど、
- 自衛隊を辞めたい
- 辞めるつもりでいる
って方のための記事です。
以前、僕も一般曹候補生として自衛隊で働いていましたが辞めました。
自衛隊で働くということは民間で働くのとは違ってきついししんどいし大変です。
融通が利かないところもあります。厳しい規律もあります。
僕も自衛官を辞めてから数年は経ちますが、未だに同期から辞めるかどうか迷っているといった相談も受けます。なので辞めたい人の気持ちは本当に分かります。
正直なところ、辞めたい、辞めるつもりでいると思ってこのページを読んでいる時点で結論は変わらないのかもしれませんが、辞める前に知っておくべきことがあるのも事実です。
僕もこの辺の事情については詳しいのでガチで書いていきます。
教育隊中の方はこちらを参考にしてみてください。

なぜ自衛官を辞めたいのか
そもそもなぜ自衛隊を辞めたいのか?について理由を聞かれると、その答えは人によって違います。
しかしその理由を細かく突き詰めてみると、
- やりたいことがある
- 仕事が向いていない
- 人間関係に疲れた
といった代表的な理由に集約されていきます。
基本的に自衛隊から転職をする際に事実として受け入れておきたいのは、
- 自衛隊ほど給料のいいところはそうそうない
といった点です。
まずはこの事実を受け入れてください。
自衛隊の給料は恵まれている!?
誤解を与えてはいけないので、言葉を言い換えると、民間の給料は若い人ほど低いです。
- 定期的な昇給と衣食住の待遇
- 夏・冬合わせて約4.5ヶ月分の賞与
- 特別職国家公務員
この3つは自衛隊、公務員ならではのものです。
また、自衛隊では、家賃・光熱費なんかはかかりません。
日本の企業のうち、99.7%は中小企業です。
ボーナスの出ない会社は3社に1社です。
正社員なのに昇給のない会社も3社に1社です。
それくらい日本の民間企業は厳しいです。
民間平均給与も2000年前後をピークに低下しています。
最近では終身雇用制度の維持が難しいとの発言もあり、これからはますます厳しい時代になることが予想されます。
そのため、20代であれば正社員を希望するか、製造業でがっつりと稼ぐのが一部の若者のあいだで王道になっています。

そういった背景もあり、自衛隊を途中で辞めるということは、こういった待遇を自ら捨て去ることになります。
実際に僕も自衛隊を辞めてからはしばらく生活が落ち着くことはなく、収入も安定していませんでした。
なので、まずは自衛隊って実は安定している、定期的な昇給・収入があるってところを認識しておくのが大事です。
やりたいことがある場合
まずやりたいことがあるといった場合ですが、
- 大学や専門学校へ進学したい
- 民間で働きたい
- 起業したい
といったように前向きな理由なので入念な準備をしておけば大丈夫です。
進学や就職にはお金がかかるので自衛官のうちにお金を貯めておくのがベストです。
また、将来的にはお金を稼ぐことになるので、進んだ先にどういった仕事に就き、その仕事がどのくらい需要があるのか調べておくのがベストです。
たとえばその職種や業種の景気動向、有効求人倍率といった指標や、自分の地元、働きたい場所でどんな仕事があり、自分が将来その仕事を応募できる基準を満たすことができるのかを知っておくといいです。
一見難しいように思われますが、一例を挙げると、リクルートワークス研究所で指標を調べることができます。
ここの採用動向に関する調査というところから大卒や中途の動向を知ることができるのでおすすめです。
また、自分の希望する地域でどんな仕事があるのか知るためには、実際に求人サイトに登録をしてみましょう。
百聞は一見にしかずと言うように一度、確認をしてみてください。
しかしだからといって自分の希望するところで働けるわけではありません。
大まかな見通しを掴むのも大切ですが、
- 自分の市場価値
を知ることも大切です。
自分の市場価値を知ることで、自分のスキルや経歴、資格から就業できる企業を知ることができます。
基本的には転職活動のエージョントのお世話になります。
自衛隊で働いている間だと転職活動は難航しますが、電話でキャリアカウンセリングを唯一してくれるところがあります。
それはDODA(デューダ)です。
DODAの特徴としては、
- 全国どこでもキャリアカウンセリングが受けられる
- 国内トップレベルの求人数で質もいい
- スカウトサービスがある
といった点です。
- 自身の経験が活かせる仕事の見つけ方が分からない。
- 転職をしたいけど、何から始めていいか分からない。
- 履歴書・職務経歴書の書き方が分からない。
といった転職に不安を抱えている方でも安心して転職できます。
未経験でも正社員の求人もありますので、登録して損はなしです。
登録したら担当の方から電話で連絡が来ます。その際に電話でキャリアカウンセリングを希望することをお伝えし、日時の調整をすればOKです。
できれば、自分に向いている仕事を把握してキャリアカウンセリングを受けることをおすすめします。

また、自衛隊を辞めたとしても再度自衛官として働くこともできます。
基本的には退官前に階級が士長以上で職種の初級特技を持っていた方が対象です。
もしくは年齢要件を満たしていれば、再度自衛官候補生、一般曹候補生として入隊することができます。
仕事が向いていない
希望する職種に入れなかった場合や、やってみたけど思ってたのとは違ったというようなミスマッチはよく起こります。
実際に転職を希望する人たちの退職理由の中には、仕事内容に興味を持てなかった、能力を生かせなかったというのが10%以上を占めています。
しかし実際のところ、自分の能力を生かせる仕事は何かと言われたところで、僕自身も含めはっきりと答えられる人は少ないと思います。
仕事が向いていないとなったら、どの仕事のどんな部分が向いていないのかまで掘り下げていくことが大切です。
たとえば自衛隊の中で、身体を使うことに実は向いていなかったということが明らかになった場合、それが民間でもそうなのかというと、そういうわけではありません。
自衛隊では、それが訓練であり、民間ではそれが仕事です。
民間で身体を使うのは建設、製造、運送だったりします。なので身体を使うのが苦手=デスクワークしか無理というわけではありません。
たとえば身体を使うのは苦手だけど、人と話すことは好きといった場合は営業なんかがあります。営業もルート営業、新規営業、店舗営業というように分かれています。
なのでまずは自分の適性を知った上で、辞めるかどうかを見極めると同時に、今の日本の雇用情勢を知っておくのがベストになります。

人間関係に疲れた
自衛隊には全国各地から人が集まっていると同時に閉鎖された環境なので変わり者、癖のある人が多いです。

やたらと干渉してくる人や、鬼のように厳しい人は一定数います。
指導という口実の名の下にパワハラを行ってくる人もいます。
こういった理由で自衛隊を辞めたいという人たちは、たいていの場合、自衛隊の仕事が嫌いではないはずです。
人間関係さえ良ければ続けてもいいと思っていると思います。
こうした場合には、転属するしかありません。
陸上自衛隊の士の場合には、転勤がないので、警務科への異動を希望しましょう。
推薦さえあればいけます。
もしくは、陸上・海上・航空自衛隊の試験を受けなおすのもアリです。
もう一度教育隊を受けることにはなりますが、今の嫌な環境からは抜け出せます。
僕の知り合いの中には陸上自衛隊から航空自衛隊へ行った人がいました。
もし一般曹候補生として入隊していた場合には、バッジを外して自衛官候補生となり就職支援を受けることも可能です。
このように自衛隊の中で人間関係に疲れてしまった場合には、いくつか方法があるので試してみるのもアリだと思います。
もちろんひどい環境であった場合には辞めてしまっても問題ないです。
駐屯地や分屯地内にいるカウンセラーに相談するべきです。
もちろん僕に相談しても構いません。
死ぬくらいなら辞めたほうがマシです。
辞めたからといって次の仕事がないわけがないのでそこは安心してください。
実際に自衛隊を辞めた僕だって普通に働いていますし、僕の知り合いだって働いています。
まとめ
自衛隊を辞めたいと思ったら、自分を見つめなおすチャンスであると同時に新しいキャリアを歩むべき時期にきているのかもしれません。
- なぜ辞めたいのかという理由を明らかにしてから辞める
のがベストです。
辞める理由が前向きであろうが後ろ向きであろうが関係ありません。
最終的に決めるのは自分です。
僕は自衛官を辞めて後悔したのか?と訊かれたら、後悔はしていません。
後悔するかもしれない、と思って退官するのはオススメしません。
何があっても辞めるという決意が来たときこそ辞める時期です。
何となく自由になりたいから、といったような理由だと後悔します。
自由になって何がしたいか、が大事です。
今の時代に転職はめずらしいことではないので、そこは心配する必要はありません。
自衛隊を辞めるかどうか迷っている方の参考になればと思います。
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