メンタリズムの罠

みなさんはメンタリズムという言葉をご存知ですか?

たいていの方は一度くらい耳にしたことがあると思います。

かくいう私もイメージとしてメンタリズムがどういったものであるのかはなんとなくわかるのですが、

言葉にしようとするとうまく説明することができません。

そんなわけもあって今回はダレン・ブラウン『メンタリズムの罠』を読みました。

 

それではいつも通りの著者紹介から

ダレン・ブラウン

1971年、イギリス、クロイドン生まれ。

法学とドイツ語を学ぶべくブリストル大学に進学。

バーやレストランで、マジックや催眠術のショーを行っていたが、1991年イギリスのテレビ局「チャンネル4」からマインドリーティング(読心術)の番組企画を打診される。

これがのちの『ダレン・ブラウンのマインド・コントロール』だ。

この番組の成功により、一躍有名人となる。

その後も、ダレンは生放送の番組内で、本物の銃と実弾を使ったロシアン・ルーレットや、交霊会、国営宝くじの当選番号当てをやって見せ、国際的な大興奮を巻き起こした。

これらのパフォーマンスの成功により、彼は世間に轟く「悪名」と、ロンドンに広い住居を手に入れた。

彼は今でもロンドンで、多くの剥製のコレクションに囲まれ、運命的に出会ったオウムと共に暮らしている。

週末に休みがあれば絵を描き、贈り物をもらうことが大好きである。

 

メンタリズムとは

 

 

そもそもメンタリズムとはどういったことを指すのでしょうか。

そのことについて訳者のメンタリスト DaiGoさんは本書にて、

メンタリズムはもともと、占い師や呪い師らが人を信じこませるために使う、さまざまな悪賢い技術を起源としたパフォーマンスです。

奇跡のように見えるイカサマ技や、信者を獲得するために磨かれた心理学テクニック、コミュニケーション用のトークスキル、一目で相手を見抜く観察眼など、これらを駆使して、さも超能力や霊能力があるかのように見せるショー。

あくまでショーとしての霊能力や超能力の再現なのですが、これまでのメンタリストの多くが「本当に科学では解明できない人智を超えた力が存在する」ように振る舞っていました。

と述べています。

そして著者のダレンブラウンについて

ダレンは、これまでのどこか怪しさのつきまとったメンタリズムの世界に、科学や学問を掲げて現れました。

ダレンは番組の冒頭、その初っ端から視聴者に向かって言い放ちます。

「私のパフォーマンスは、トリック、暗示、心理学、誤認誘導、そしてショーマンシップでできている」と。

これは革新的とも画期的とも言える事件でした。

…彼はこれまでと違い、そのパフォーマンスの裏側に潜むメンタリズムテクニックの一端を番組を通じて公開し、視聴者に知らしめるスタイルで人気を博します。

…ダレンのパフォーマンスは、誰もができない超常の力ではなく、人が研究し解き明かしてきた多くの事柄によって人はすでに超能力を実現できるのだと教えてくれます。

もちろん、多くの知識を得ることは必要ではあるものの、現実的な意味で夢にあふれていると思いませんか?

では、ダレン・ブラウンはどのようにしてパフォーマンスにトリック、暗示、心理学、誤認誘導を取り入れているのでしょうか。

暗示を使ったトリック

 

 

ダレン・ブラウンさんによると、暗示を使ったトリックの一つにウィジャボードがあるそうです。

ウィジャボードは日本でいうこっくりさんみたいなものです。

ライブパフォーマンスでウィジャボードを取り入れているダレン・ブランさんは

超自然的な事象を鼻で笑うわりに、ウィジャボードを使うことに拒否感を示す人は多い。

ウィジャボードをやった結果、不幸な体験をした人の話を聞いたのだけれど、どうにも説明がつけられないからかもしれない。

…超自然的なものに対する信仰についてはまたあとで触れるとして、私がこう言うことで一部の人を安心させることができたらと思うが、私はこのショーの中で何百回も真剣にウィジャボードを使ったが、予想外のことは一度も起こらなかった。

確かにガラスのコップは動くし、言葉も何か綴られる(私自身は触っていない)。

コップに指を置いていた参加者たちは、自分たちで動かしていないと誓ったし、コップを動かすのにはなんのトリックも使わなかった。

確かに、毎晩何千もの人が室内に集まり、霊的な力にエネルギーを集中させているのだから、不吉なことが起こるなら起きてもおかしくないと思うのはもっともだ。しかし毎晩何かが起きているようには見えたものの、確実に何も一度として起こらなかった。

と述べています。

では、どうしてコップが動いたりするのでしょうか。

ウィジャボードの仕組みに関しては、シンプルだが興味深い説明がある。

霊がコップを動かすのだと信じたい人はもちろんそれでもいいが、実際の原理は推測で語られているものではなく、また霊的な活動の「証拠」を必死になって否定しようとしているのでもない。

それは状況にちゃんと当てはまり、ウィジャのマジックを誘導する力だと簡単に証明することができる。

その答えは、「観念運動的動作」(イデオモーター・ムーブメント)という素晴らしい原理に基づいている。

これを完全に理解することで、他の数多くの「霊的な」行為をパフォーマンスの中で達成することが可能になり、トリックを使わずして一見説明不可能なさまざまな現象を生み出すことができるのだ。

それではどのような原理になっているのかというと、

その原理はこうだ。一つの動作を思い描き、そのイメージに強く集中すると、気がつかないうちに体が似たような動きをしてしまうものなのだ。

何にも邪魔されないところで、自分の腕が軽くなるというイメージに集中できるなら、いずれ自分が無意識の中で少しずつ腕を持ち上げる動作をしていることに気付くだろう。

この動作が起きていることに気づくかもしれないが、自分がそうしているという自覚はない。

神経細胞が連続して興奮すると、自分がコントロールできないところで起こっている感じがするだろう。

たとえば、映画の登場人物を見ながら感情移入して突発的に動いてしまった自分に気づいた経験があるのではないか。

ウィジャボードはこのような仕組みになっているそうです。その他にも振り子について解説されています。

 

今回はメンタリズムとは何かからはじまり、トリックの中で暗示がどのように使われているのかを明らかにしました。

本書ではマジックの代表格でもあるコインやカードトリックについても触れられています。

中でも有益だったのが記憶に関する項目です。

ここではちまたでよく聞く記憶術についてその種類と具体的な方法が盛り込まれていました。

記憶術では、

  • 関連付け法
  • 場所法
  • かけくぎ法

の3つがあるそうです。

その中でも特に場所法―記憶の宮殿はすぐに役立ちました。

記憶の宮殿は海外ドラマの『The Mentalist』でも出てきます。

かけくぎ法では、長い数字を記憶したり、トランプの束を記憶するのに役立ちます。

よくトランプの順番を瞬時に覚えて披露するのに使われるやつです。

ページを読みながら記憶術の方法を身につけることができるので安心して取り組むことができました。

 

催眠術と被暗示性では、

  • 催眠とは何か?
  • 催眠のかけ方 (危険性、催眠の言語、構造)
  • 神経言語プログラミング(NLP)

などが触れられています。

 

無意識のコミュニケーションでは、

  • 人を読むということ
  • 嘘と嘘の聴講を見分ける
  • 無意識のコミュニケーションの主な分野 (頭と顔、手、足、まばたき、肩、比喩的表現、簡単な説明、主語を使わない、答えのはぐらかし、「私は正直に話している」、速度の低下、声の高低)

 

霊媒、霊能者、ペテン師では、

  • コールド・リーディング
  • コールド・リーディングのトリック―その他の例

について明らかにされます。

 

本書を読了した感想としては、この値段でこの情報量は安すぎるということでした。

  • 私たちが普段目にするマジックのトリックやなぜだまされるか。そして超人的な記憶の仕組み、誘導、相手を読むために必要なことがすべて明らかにされています。

相手の心理を読むためには何を学んでいけばいいのかが章ごとに分かれているので、この本を軸として見識を広めていくのがベストです。

もっと早く読んでおけばよかったと後悔したくらい素晴らしい本でした。

迷ったなら買いの一冊です!

 

この本の評価
読みやすさ
(4.5)
面白さ
(5.0)
デザインの美しさ
(4.5)
値段
(5.0)
コレクション性
(5.0)
総合評価
(4.5)

 

 

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