私たちはよくギブ&テイクの関係によって人間関係をよくしていると言われています。
仕事で誰かを助けたり、もしくは道を教えてもらったり、あるいは援助してあげたりと。
ですが、人助けで報われる人もいれば、逆に人に利用されてしまう人もいます。
この違いは何なのでしょうか。
今回紹介するのは、アダム・グラントさんの著書GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代です。
この本では、「ギブ&テイク」がこの世の中を形成する当たり前の原理原則としながらも、それらが果たしてこの時代の“常識”として通用するのかどうかを明らかにしてくれます。
アダム・グラント(Adam Grant)
ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。
同大学史上最年少の終身教授。
『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、『ビジネスウィーク』誌の「Favorite Professors」に選ばれるなど、受賞暦多数。
「グーグル」「IBM」「ゴールドマンサックス」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も魅力的に行う。
本書は24カ国語以上で翻訳され、世界中の人々の「働く意識」を変えたいといわれる大ベストセラーになっている。
GIVE&TAKEの3タイプ
アダム・グラントさんによると、GIVE&TAKEには
- ギバー(人に惜しみなく与える人)
- テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)
- マッチャー(損得のバランスを考える人)
の3タイプがあるそうです。
具体的には、
①ギバー
GIVE&TAKEの関係を相手の利益になるようにもっていき、受け取る以上に与えようとする。
②テイカー
常に、与えるより多くを受けとろうとする。テイカーにとって世の中は食うか食われるかの熾烈な競争社会になっているそうです。
ですが、アダム・グラントさんによると、ギバーとテイカーの区別は金銭的なことでは測れないそうです。
仕事に関しても、慈善事業にいくら寄付しているかや、いくら給料をもらっているかで、ギバーとテイカーを区別することはできないそうです。
ではどういった点でギバーとテイカーに区別をつけることができるのでしょうか
結論を述べると、
ギバーとテイカーの他人に対する態度と行動の違いで判断できるそうです。
アダム・グラントさんは、
テイカーが自分を中心に考えるのに対し、ギバーは他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う
ここが違いになるそうです。
つまり、テイカーなら得られる利益が損失を上回る場合にかぎり、相手の有利になるように協力し、
一方でギバーなら、いつ何時でも損失より「相手」の利益のほうが上回るように手を差し伸べるそうです。
いいかえると、ギバーは相手が払う犠牲はあまり気にせず、見返りをいっさい期待することなく相手を助けるそうです。
仕事においてもギバーは自分の時間、エネルギー、知識、スキル、アイデア、有益な人脈を惜しみなく分かち合おうとするそうです。
ですが、アダム・グラントさんによると、職場ではGIVE&TAKEはもっと複雑なものになるため、私たちがはっきりと分かれることはほとんどないそうです。
そして私たちの多くは、たいてい第三のタイプになるみたいです。
では、第三のタイプについてみてみましょう。
マッチャー(バランスをとる人)
この第三のタイプであるマッチャーは、
与えることと受けとることのバランスをとろうとする
そうです。
アダム・グラントによると、
マッチャーは常に“公平”という観点にもとづいて行動する。
だから人を助けるときは、見返りを求めることで自己防衛する。
マッチャーは相手の出方に合わせて、助けたりしっぺ返しをしたりしながら、ギブとテイクを五分五分に保つのである。
というふうに定義されています。
以上3つのタイプを紹介しましたが、その中で成功しやすいタイプはどれでしょうか?
アダム・グラントさんによると、ギバーが圧倒的に成功するそうです。
その理由としては、
成功しているギバーは、4つの重要な分野
- 人脈づくり
- 協力
- 人に対する評価
- 影響力
で、独自のコミュニケーション法を用いる
からだそうです。
より詳しくみてみると、
「人脈づくり」……新しく知り合った人々と関係をつちかい、以前からつき合いのある人々との結びつきを強めるための画期的なアプローチ
「協力」……同僚と協力して業績をあげ、彼らの尊敬を得られるような働き方
「人に対する評価」……才能を見極めてそれを伸ばし、最高の結果を引き出すための実用的なテクニック
「影響力」……相手に自分のアイデアや関心事を支持してもらえるようなプレゼンテーション、販売、説得、交渉をするための斬新な方法
になります。
これら4つの分野すべてにわたって、成功しているギバーは他の2タイプと違っているそうです。
これまでにGIVE&TAKEの3タイプについて紹介しましたが、
特にギバーがどのような方法で成功しているのかについては本書で次のような展開になっていきます。
①「ゆるいつながり」という人脈づくり
- 写真をみただけでわかること
- ギバーがどのようにSNSの情報を活用しているか
- どんな発想ができる人が求められているのか
②利益の「パイ」を大きく増やす働き方
- いま「仕事ができる」のはこんな人たちである
- 優秀だから尊敬される人、妬まれる人
- 人を動かす人が、必ずやっていること
③可能性を掘り出し、精鋭たちを育てる
- 「スター」を育てる確実な方法
- 名選手をつくるコーチのやり方
- 人間は“才能”で決まるのか
④「強いリーダーシップ」より「影響力」
- その弱点は「大きな強み」になる
- 知らず知らずのうちに心を掴む「説得術」
- 身につけるべきは「質問力」
⑤したたかな行動戦略
- 人助けは「まとめてやる」
- 「自己犠牲」から「楽しみ」へ
- それは大金持ちになるための「一番の近道」
⑥「いい人」だけでは絶対に成功できない
- 踏みつけられる人、大事にされる人
- 「愛想のよさ」ほど当てにならないものはない
- 「いい人症候群」という落とし穴
⑦未来を変える「因果応報」のルール
- 「ズルい人ほど得をする」―それは本当か
- 人間が「お互いを助ける」理由
- 相手の望みをかなえ、自分の欲しいものを手に入れる
⑧「成功への道」を切り拓く人たち
- 頭のいい人ほど早く行動している
- 「与える人」は、“その一歩先”を見る
ここで紹介したのはほんの一部でしかありませんが、
本書はあの「影響力の武器」の著者であるロバート・チャルディーニ(心理学者)が
「仕事と人生の“革命的な思考の転換”になるだろう」と評したほどの出来上がりになっています。
◆「いい人は成功できない」という時代にどう生きるのか
◆人助けが報われる人、人に利用される人のちがい
◆まわりを勝たせて自分も大成功する「交渉術」
私たちが仕事をしていく上で欠かせないテクニックが大量に盛り込まれています。
少しでも興味のある方は価値があるので読んでみてください。

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