ハーバード流 交渉術 レビュー

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みなさんは日常で営業、あるいは接客、もしくは誰かに交渉をするときに意識していることはありますか?

ただ何となく交渉をしてきた方も中にはいらっしゃると思います。

相手にこちらの要求を受け入れてもらう、つまりイエスを言わせるにはどうすればいいのでしょうか。

そこで今回は『ハーバード流 交渉術』を紹介します。

ロジャー・フィッシャー

ハーバード大学名誉教授。ハーバード大学交渉学研究所長。パリでマーシャルプランに参画後、司法省に勤務。その後ワシントンで弁護士事務所を開き、国防省その他の政府関係機関のコンサルタントを務めた。

私たちは毎日なんらかの交渉をしている

ロジャー・フィッシャーさんによると、私たちは普段意識することなく日常的に交渉を行っているそうです。

たとえば次のようなものになります。

  • 夕飯をどこで食べるか夫婦で話し合う
  • 子供と寝る時間について話す

こうした些細なことも交渉になるそうです。

では、交渉とはそもそも何を指すのでしょう。

本書によると、

  • 交渉とは、他人への要求をなるべく通そうとするときに用いる基本的手段

になるそうです。

では、交渉の中でもこのハーバード流交渉術とはどのようなものなのでしょうか。

あらゆる状況を打破するハーバード流交渉術

ロジャー・フィッシャーさんはハーバード流交渉術について次のように述べています。

本書で提示するハーバード流交渉術は、ハード型でもソフト型でもない。

むしろ両方を含んだような交渉方法である。

ハーバード大学交渉学研究所で開発されたこの方法は、原則立脚型交渉術ともいうべきもので、“する”と言っていること、“しない”と言っていることをめぐって双方が言い争うのではなく、双方の主張の利点に焦点を合わせようとするものである。

またその方法は、できるだけ共通の利益を見出し、利害が衝突する場合は、どちら側の意志からも独立した公正な基準に基づいて結論を出すことを勧めている。

それでは、このロジャー・フィッシャーさんが提示するハーバード流交渉術は、どのように交渉の場で活かされていくのでしょうか。

こんな交渉をやってはいけない

ロジャー・フィッシャーさんによると、交渉を合意にもっていくためには次のような点に注意しなければならないと述べています。

  • 自分の立場に固執する
  • 時間と労力をかける
  • 相手の中に“敵意”を芽生えさせる

そして、ハーバード流交渉術はこれらのことを廃して次のような点を心がけているそうです。

  • 当事者の基本的な利害
  • お互いが満足できる選択肢
  • 公平な基準に焦点を合わせる

このハーバード流交渉術は、私たちが想像しがちな“駆け引き”による交渉とは対照的に、総じて賢明な合意をもたらすそうです。

ですが、みなさんもこれまで経験されたことがあるように、交渉をしていると、必ずお互いに譲れない部分が出てきます。

そして運が悪ければ、交渉決裂となります。

では、交渉が難航してしまった場合に私たちはどうするべきなのでしょうか。

解決の扉を開く交渉術

ロジャー・フィッシャーさんによると、交渉決裂を回避するためには次のようなことを心がけるといいそうです。

  1. 交渉は、人間との話し合いであることを意識する
  2. 自分に好都合な地点から物事を見ようとしない
  3. 誤解は偏見を生み、反発を強め、反発に対する反発を呼ぶ

そして、相手方も感情の持ち主たる人間であることを認識し、その点に十分留意して交渉に当たらなければ失敗することを肝に銘じておかなければならないそうです。

つまり、相手を相手側の代表として接するのではなく、ひとりの人間として接する必要があるということになります。

まとめ

  • 交渉とは、他人への要求をなるべく通そうとするときに用いる基本的手段である。
  • 交渉の場では、できるだけ共通の利益を見出し、利害が衝突する場合は、どちら側の意志からも独立した公正な基準に基づいて結論を出すようにする。
  • 相手をひとりの人間として認識した上で交渉に臨む。

今回は、ハーバード流交渉術がどのようなものであるのかを紹介しました。

ですが、これは本書においてはほんの入り口にすぎません。

私たちがあらゆる場面で交渉をする際に、

  • 「相手が話に乗ってこない」
  • 「相手の立場の方が上なとき」
  • 「相手が汚い手口を使ってきたとき」

といった状況に直面するかもしれません。

そんなときにどうすればいいのかが本書には詳しく書かれています。

  • 弱い立場を逆転させる“切り札”
  • 相手が強固なときは論点をこうして転化せよ
  • 相手にも十分満足を与えるもう一つの方法
  • 相手の面子をつぶさないとっておきの方法
  • 相手を自分の側に引き込む話し方

などハーバード流交渉術を実践する上ではかかせない情報が得られます。

ハーバード流交渉術の神髄を知りたい方はぜひ読んでみてください。

この本の評価
読みやすさ
(4.5)
面白さ
(5.0)
デザインの美しさ
(3.5)
値段
(3.0)
コレクション性
(4.0)
総合評価
(4.0)
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