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思考を上手に操作する方法
本書のタイトル『青い象のことだけは考えないで!』を目にすると、青い象のことを思い浮かべてしまうのはなぜだろう。
こんなふうにマインドリーダーでもある著書のトルステン・ハーフェナーは人の考えている方向を誘導していく。そんな彼が思考を上手に操作する方法を伝授するのが本書だ。
トルステン・ハーフェナー
1972年、ドイツ・ザールブリュッケン生まれ。ザールブリュッケン大学およびカリフォルニア州モントーレの大学で翻訳と通訳を学び、英語とフランス語の通訳の資格を取得する。卒業後、身体言語を読み解くことで人の思考や感情を解釈する能力を磨く。
現在、マインド・リーダーとしてステージショーを行うほか、講演会やセミナーを開催し、テレビやラジオにも多数出演して絶大な人気を博している。
著書にベストセラーとなった『心を上手に透視する方法』『心を上手に操作する方法』がある。
私たちの思考は「不自由」である
冒頭でもあったように、「青い象のことだけは考えないで!」といわれると、思わず私たちは青い象のことを想像しないわけにはいかない。本書でトルステン・ハーフェナーは意識を集中させるだけで脈拍を下げる方法や、「ニセの薬」のほうが効果を発揮する理由を説明することで、いかに私たちの心と身体が相互作用しているのかを読者に体感させる。その事例としてうつ病患者が改善した事例がある。
●落ち込んだときはとにかく上を見上げよう
アメリカのクリニックには、うつ状態の患者に、首のコルセットを与えるところがあるという。
首のコルセットを装着すると、患者は頭を上に向けさせられ、下を見ることができなくなる。
そうすると、数日後には、多くの患者の気分が格段によくなって、治療が完了する!
ハーフェナーによると、心と身体はつながっているので、姿勢を正していると、気分もよくなるそうだ。
現に、上を見上げるという方法は、アメリカの電話悩み相談員も応急処置として使っている。自殺のおそれのある人が電話をかけてきたら、まず返す言葉は「天井を見てください」なのだそうだ。目線を上げるだけでも気分がましになる。
相手の情報を引き出すための空白のテクニックとは?
私たちは自分では自由意志で行動していると思っていても、誘導されたり、影響を受けたりする。その一例としてパーティーで出会った魅力的な人の情報を引き出すテクニックがある。
たとえばパーティーであなたは魅力的な人と知り合い、親しくなりたいと思った。そしていっしょに楽しい時間を過ごすこともできた。だけどあなたはまだ、相手の電話番号(連絡先)を知らない。
さて、あなたならどのような方法で相手の電話番号を手に入れるだろう?
素直に聞く人もいれば、こちらから自分の電話番号を伝える人もいるかもしれない。
そして中には電話番号を聞くことができない人がいるのかもしれない。
この問題に対してトルステン・ハーフェナーは非常にシンプルな答えを出した。
それは、相手に影響を与えるのだ。
これはあなたが思っている以上に簡単だ。
ペンとメモ用紙を用意しよう。そしてメモ用紙を半分にちぎり、片方の紙にあなたの電話番号を書く。
あなたの番号を書いた紙はまだ渡さずに、何も書いていないほうの紙とペンを相手に差し出す。
相手は紙をすぐに受け取るだろう。
そうしなければ失礼だからだ。
すると、たいていの人は、紙に電話番号を書いてあなたに渡すだろう。
ここでのポイントは、自分から先に紙に番号を書いてみせることにある。そのことで自分が「空白」を、ある行為をうながす状況をつくり出した。これは私たちは空白を好まず、空白があると埋めたくなることによるものだ。
「成功すれば幸せになれる」は間違いである。
最近では、メンタルトレーニングやセルフヘルプ業界の人々の多くがポジティブな考えをもてば、簡単に何でもうまくいくと主張する。その影響もあって「ポジティブ・シンキング」や「前向きな考え」といった言葉に対して抵抗をもつ人たちが増えてきた。
トルステン・ハーフェナーはここで現実を見てみるようにうながす。
天才と思われた人々の運命を見てみればいい。自称霊能者の中には、破産したり、うつ病になってしまった者もいる。
私たちは思考を正しい方向に向けるという重要なテーマにもっと関心をもって、真剣に取り組むべきだ。
そもそも前向きに達成したいことは何だろう?
たいていの人が最終的にたどり着きたいのは「幸せ」だろう。
新しい車を探そうが、完璧なパートナーを得ようが、広い家を夢見ようが
―誰もが「幸せ」になりたいと思っている。
「広い家に住めたらやっと幸せになれる」がお決まりのセリフだ。
何かに成功すれば幸せになれると思っていたら、いつまでも幸せになれない。
これはいくつかの研究で明らかになっている。
実際は、その逆なのだ。
幸せであれば、成功する!
本書ではいかに私たちの思考は縛られているのかを示唆してくれる。そしてそのような状態から解放され、思考を「自由」にするためにはどうすればいいのかが書かれている。たとえば次のようなものだ。
- 「最初の選択が正しい」と考えるのは間違いである。
- 「決断の結果」よりも「決断すること」のほうが重要である。
- 意識・潜在意識・無意識の「三つのレベル」でとらえる。
そしてその他にも、私たちが日常生活で実践できる情報が盛り込まれている。
- まったく売れなかった商品が飛ぶように売れたワケ
- つきあいたくなるのは「いいにおいがする」と感じた人
- 甘いものを食べると財布のひもがゆるむ!?
- 言葉によって他人の思考は操作できる。
- 恋に落ちた人の気持ちは、数値や画像では表せない
- 幸運をつかむために大事なこと
- 「宝くじに当選した人」と「そうでない人」の幸福感の差
そして最後に、
- 思い込みで動けなくなっている「象」になっていないか?
もしあなたが、ひょっとして自分は思い込みで動けなくなっている象になっているかもしれないと感じたならば、本書は一読するに値するのかもしれない。
<追記>
他にもトルステン・ハーフェナーさんの記事として
があるので参考にしてみてください。

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